23 7月 2012

クラッシックカーのお話:その1

6月の初旬。
イタリアの南の島。シチリアで開催されたクラシックカー・レース
GIRO DI SICILIA - TARGA FLORIO 
ジーロ・ディ・シチリア ー タルガ・フロリオに
参加してきました。http://www.girodisicilia.it/

なんと!100周年記念のジーロ・ディ・シチリア。

このレースでパイロットとして参加されるお客さまが
日本からいらっしゃっていて、通訳・案内役でご一緒させていただくはずが、
相方のナビゲーターが必要ということになり、
話の流れから、ナビゲーター役も兼任することに。


じつは、わたし。
お恥ずかしいことに、日本の自動車免許はAT限定歴16年、

輝くGOLDペーパードライバー!

そんなんで、ナビとかできるんですか?大丈夫ですか?ってお尋ねしたら、
レース開催側もOKと言ってくれているので、乗ってください。と言われ 、

そうなったら、好奇心のカタマリ性格、
ベストシーズンのシチリアを一周、なおかつクラッシックカーレース参加。
こんなに楽しそうな経験、そうそうチャンスはないだろうということで、
6月5日、ミラノからパレルモ行きの飛行機に搭乗。
パレルモ到着!

今回のレースは4日間。
出場カーは50〜60台。
最も古い車で1911年のものから、1975年の車が勢揃い。

 イギリスから参加の
1911年のSCAT TYPE C RACER
骨董品の域ですね。




:総勢50台ものクラシックカーが広場に一同に並ぶ眺めは最高です。
右:わがチームの1955年のTRIUMPH


1日目は、シチリア北西のパレルモを出て、シチリアの西側のマルサラの街まで。

マルサラの塩田

ランチのビュッフェはシチリア名物料理盛りだくさん!
ディナーは毎晩、他の参加者と円卓でワイワイ。
2日目は長い1日。マルサラを朝8時に出発。
世界遺産の遺跡アグリジェントを車窓から眺めつつ、
ランチスポットのカルタニッセータまで一気に約400KMを走行。
クッションないと、腰ガタガタです。笑

アグリジェントの遺跡
カルタニッセータのランチのあとデザートCUDDURUNA。
揚げパンみたいなお菓子が、ふわふわドーナツみたいで、
美味しいヤミツキ!

ランチの後は、また350KMを走行。
エンナ、ピアッツァ・アルメリーナ、ラグーザを通過して、
2日目のゴールのモディカの街に到着。
モディカでは、有名なモディカのチョコをお土産にいただきました!

モディカの夕刻

マルサラ〜モディカは高速に乗って直線で走れば290KMの距離。
でも、クラシックカーレースのルートは、綺麗な沿岸の道や、
内陸の遺跡のある街を通ったり、

観光要素的な見せ場!

も組み込んであるので、1日の走行距離が700KMを越えたりするんですね。

今回はレースがメインなので、もっぱら車窓観光でしたが、
やっぱりもう一度、ちゃんとゆっくり訪れたい街がたくさんありました。


さて、肝心のお仕事のナビゲーション。
イタリア語のアシスタントは当然のことですが、
このルートブックを見ながら、
パイロットに道の指示をします。
イタリアの田舎道、高速道路の出口など、
間違えるとホント大変。(汗)

レース中には、タイム管理があって、
スタートから何時間後にゴールに到着というルールがあるので、
そのタイムを見ながら、早すぎてもだめ、
できればゴールタイムきっかりに到着を目指します。

そして、レースでもっとも大事な競技が、タイムアタック

レースのルートの最中にタイム計測ポイントが設置されていて、

規定の距離を決まった時間で走るもの。
たとえば500Mを規定の秒数きっちりで、連続して8区間走るなど。
時速でいえば、まったく早くありませんが、
いかに精密に時間通りにゴールポイントにタッチするか。
0コンマ0秒の世界の戦いです。
熟練のパイロットさんは、プロ並みの計測器を使用して、血眼で争っています。
その、タイムキープのアシスタントもナビゲータのお仕事です。


透明で真っ青な海沿いの街でフォト休憩。
ほかの参加者と一緒に。
GIOSA MAREAのホテルからの眺め
というわけで、4日間、無事にナビも終え、
6月のシチリアのキラッキラの太陽と海とおいしい料理と、
TRIUMPHから眺める景色を満喫しました。

レース競技の順位は、我がチーム、日本からのパイロットさんも
イタリア初出場 で21位。ほぼ真ん中ですね。

クラシックカーレースというのは、
ただガムシャラに車の早さを競うのではなく、
好きな車で、綺麗な景色のなかを駆け巡り、
地元のおいしい料理とワインと、土地の文化、歴史を感じ、
世界から参加するたくさんのひとたちとの交流を楽しむ。
社交的なお遊びであり、新たな旅の楽しみ方。

っていうのが、初参加のわたしの印象です。
もちろん、タイムアタックの時は真剣勝負ですよ。


日本からの参加者ももっと増えるといいな〜。